松葉ガニの選び方のポイントは?カニ専門店のプロが伝授する購入の完全ガイド
松葉ガニはブランドガニとも呼ばれ、カニの中では高級な部類に入ります。食べる機会が少ないからこそ、美味しい松葉ガニを選びたいですよね。
松葉ガニは鮮度が命です。いくら立派に成長した松葉ガニであっても流通の過程や自宅での保存方法によって美味しさは大きく異なります。
せっかく松葉ガニを買っても本来の新鮮な味が味わえないともったいないです。
本記事では、50年以上の伝統を持つカニ専門店のプロが松葉ガニの選び方や正しい保存方法を解説します。
松葉ガニの基本知識
具体的な選び方を紹介する前に、松葉ガニとはどのようなカニなのかについてご紹介します。
松葉ガニとは?
松葉ガニは、山陰地方の日本海で獲れるオスのズワイガニのことです。ズワイガニは産地によって呼び名が変わり、福井県では「越前ガニ」、石川県では「加能ガニ」などと呼ばれます。一方で、メスのズワイガニは「親ガニ」や「セコガニ」と一般的に呼ばれ、松葉ガニとは区別されます。
カニの種類には、他にも「タラバガニ」「毛ガニ」「ワタリガニ」などがありますが、松葉ガニはズワイガニの一種です。
松葉ガニの産地
松葉ガニは日本海の山陰地方で水揚げされます。具体的には、兵庫県北部、京都府北部、鳥取県、島根県といった地域です。特に鳥取県は日本一のカニの水揚げ量を誇り、境港、賀露漁港、網代漁港が有名です。
この地域の海底の地質やプランクトンの種類などがカニの生育に適しており、しっかり身の入った美味しいカニが水揚げされます。
松葉ガニのシーズン
松葉ガニがとれる時期は毎年11月から翌年の3月までです。資源保護の為に禁漁の期間が定められており、この期間以外に漁を行うことはできません。
松葉ガニはシーズンの中でも、特に12月から2月の間が最も美味しいと言われています。この時期は身が詰まり、流通量も多くなります。
価格にも影響しているように松葉ガニは旬が短く貴重です。新鮮で美味しい松葉ガニは冬の時期しか食べられません。
松葉ガニの値段
松葉ガニの相場は1匹12,000円~28,000円です。価格は少し高級ですが、松葉ガニなどのブランドガニには地元で獲れたカニであることを証明するタグがついているため、安心して購入できます。
もっとお手軽に松葉ガニを楽しみたいと考える方はタグなしの松葉ガニがおすすめです。タグなしの松葉ガニは傷や足欠けの「訳アリ」のカニですが、味や身入りはタグ付きと大差ありません。タグなしの松葉ガニであれば1匹5,000円~10,000円で購入できます。
もっと詳しく松葉ガニについて知りたい方はこちらの記事を参考にしてください
松葉ガニ選びの5つのポイント
ここからは具体的な松葉ガニの選び方を解説していきます。生の状態と茹でた状態では選び方が異なるため、まずは生の状態の選び方のポイントから解説します。
殻が固い
松葉ガニは他のカニと違い、脱皮後にだんだんと殻が固くなる特徴があります。脱皮後のカニは成長しきっていないことに加えて、脱皮で力を使い果たしてしまうため美味しくないと言われています。
特に、殻を押してみて水が出てくる松葉ガニは要注意です。水が出てくるカニは脱皮したばかりで身入りも少ない証拠です。
黒い粒がついている
松葉ガニには黒い粒がついていることが多いです。これは「カニビル」というヒルの卵で、カニの甲羅を産卵場所に利用します。少し気持ち悪く感じるかもしれませんが、人間にもカニにも悪い影響はないのでご安心下さい。
カニビルがついているということも、脱皮してから時間が経っている証拠になるので、美味しい松葉ガニを選ぶ際の重要なポイントです。
お腹の色が褐色
脱皮後の松葉ガニを見分けるには、お腹の色を見る方法もあります。脱皮後のカニはお腹の部分が白く、だんだんと褐色に変化していきます。
松葉ガニは成長するまで10年ほどかかりますが、これらの項目を確認することで荒波を超えて成長した美味しい松葉ガニを見分けられます。
カニ自体が重い
身入りを確認する方法で最も簡単なのが、カニを自分の手で持ってみることです。両手で持って比べてみて重い方が身入りが良いので、重い方を選択しましょう。
重量があるということは、身入りがよくてお得というだけでなく、肉のしまりがよくて上質な食感を味わえます。
変な臭いがしないもの
漁港の直売所などではあり得ないのですが、変な匂いがするものは要注意です。鮮度が落ちて腐敗寸前になっている可能性があります。
水槽に入っていない生のカニを買う際は、食中毒の危険もあるため匂いを確認して新鮮なものを買うようにしましょう。
番外編ー美味しい茹でガニの見分け方ー
すでに茹でてあるカニについては、甲羅の固さや黒い粒が付いているかなどは参考になりません。茹でガニを選ぶ際のポイントは、甲羅の色です。
松葉ガニは「アスタキサンチン」と呼ばれる赤色色素によって加熱すると赤く変色します。しかし、茹でてから時間が経つとだんだんと甲羅が茶色に戻ってきます。そのため赤色の発色が良く、つやがあるものであれば新鮮で美味しいカニである可能性が高いです。
また、松葉ガニは「活」や「生」の状態で身入りが良さそうに見えても茹でる事でみそが流れてしまったり、身の詰まりが良くなかったりする場合もあります。そのため茹でてある松葉ガニの身入りを見極める際はお腹の部分や足を軽く抑える事で身やみその詰まりを確認する事ができます。柔らかく抑えた指が入るようなら身やみその詰まりが良くない可能性があるので要注意です。
松葉ガニは茹でる事でカニの善し悪しがはっきりとわかるので初めて購入される方や失敗をしたくない方はまずは茹でてある松葉ガニを選んでみるのがおすすめです。
販売形態による違い
松葉ガニの販売形態には「活」「生」「冷凍」「茹で」があります。食べ方や保存する期間によって適した販売形態を選ぶようにしましょう。
活
「活」とは生きている状態のカニのことです。生きているカニはすべての調理方法に向いており、特にカニ刺しは「活」のカニでしか味わえません。
漁港でしか食べられないというわけではないですが、流通が難しく、通販で買っても届くと死んでしまっていることもあります。
また、注意が必要なのは「活」だからといって必ず新鮮とは限らないという点です。水揚げ後に水槽での生活が長く続くとストレスや十分な餌が与えられないことで身が痩せ細ってしまいます。漁港の直売所であれば、水揚げ後時間が経っていないため安心して「活」のカニを食べられます。
生
「生」とは、冷凍や加熱処理されていないカニのことです。一般的には「活」と区別されて死んでいる状態のカニを「生」と呼んでいます。
刺し身では食べられないものの、カニしゃぶや焼きガニなど幅広くいろんな調理に使えます。一方で加熱処理されていないため、必ず火を入れる必要があり手間がかかります。買った後にカニが大きくて鍋に収まらないということにならないように調理方法を考えてから買うようにしましょう。
冷凍
海外のカニを含めて、市場に多く流通しているのが冷凍のカニです。冷凍のカニは水揚げ後に急速冷凍しているため、解凍後はそのまま調理せずに食べられます。
他の販売形態に比べると味は落ちてしまい、水揚げ後どのくらい経っているのか明記されていないこともあるため注意が必要です。ただし、長期保存ができるので、すぐに食べられないときにはおすすめです。
マルツでは年末年始限定で冷凍のカニも販売中です
茹で
「茹で」で流通しているカニは、調理方法が限られてしまう一方で、新鮮なカニを確実に安全に食べる上では最もおすすめな販売形態です。
茹でガニは、販売店にもよりますが、水揚げ当日にボイルされその日のうちに発送までされるほど水揚げから流通までが早いのが特徴です。
基本的にはぽん酢などをつけて、そのまま食べることになりますが、プロの職人が絶妙な塩加減で茹でているので調理の面でも安心です。
正しい保存方法
活や生の場合
購入後、当日もしくは次の日までに食べることをおすすめします。生のカニはすぐに黒く変色してくるため、生のままでの保存はできません。
当日に茹でてから保存する方法もありますが、もしすぐに食べられそうにない場合は冷凍や茹でのカニを購入するほうが無難です。
冷凍の場合
冷凍の場合は、食べる分を小分けにして冷凍しておくことがポイントです。ラップや新聞紙で包んでビニール袋に入れた状態で冷凍すると長持ちします。
目安としては2~3週間を目処に食べきるようにしましょう。
茹での場合
茹での場合は、冷蔵保存と冷凍保存のどちらも可能です。冷蔵なら2日、冷凍なら3日程度持ちますが、冷凍の場合は水分が抜けやすくなるので、冷蔵保存がおすすめです。
茹でガニも冷凍ガニ同様にラップや新聞紙で包んでビニール袋に入れた状態で保存すると長持ちします。
いずれにしても、松葉ガニは鮮度の高いうちに早く食べることが重要です。
カニ販売店の選び方
松葉ガニは産地が限られているため、どこでも買えるわけではありません。どこで購入できるかや購入時の注意点について解説します。
松葉ガニはどこで買える?
松葉ガニは、産地の漁港やスーパー、もしくは通販で購入するのが一般的です。通販であれば、山陰地方に住んでいない人でも松葉ガニを購入することが可能です。
店頭で購入する場合も通販で購入する場合も信頼できるお店を選ばないと鮮度が悪かったりトラブルに巻き込まれたりするので注意しましょう。
ネット購入の注意点
ネット購入をする際は以下の3点に注意しましょう。
- 返金ポリシーがあるか
- 金額がわかりやすいか
- 配送が速いか
信頼できるネット通販では、配送時の破損や異なった商品が届いた場合のための返金ポリシーが定められています。商品の金額はもちろん、配送費が明記されていることも確認しましょう。
当日発送をしているネット通販であれば、新鮮なうちにカニを食べられるのでおすすめです。
店頭購入の注意点
松葉ガニを店舗で購入しようと思ったら、基本的に山陰地方の漁港やスーパーでしか売っていません。漁港の中には直売所がないところもあるので事前に調べてから行くようにしましょう。
店頭で購入する場合は、ご紹介した「松葉ガニ選びの5つのポイント」を是非参考にして下さい。
松葉ガニ通販ならマルツ
松葉ガニを手軽に購入したいなら、「マルツ」の通販がおすすめです。マルツは、鳥取県境港にあるカニ専門の老舗で、境港はクロマグロとカニの水揚げが日本一の漁港です。
マルツは、50年以上の伝統と信頼を持つカニ専門店なので、美味しさと鮮度に優れた松葉ガニを安心して購入できます。
マルツの松葉ガニには以下のような特徴があります。
プロの目利きによって厳選
この道30年以上の目利きのプロが長年の経験値から、みそや身入りが良く鮮度のいいカニ(A級)、そうでないカニ(B級)を1枚1枚選別しています。
11月~12月のハイシーズンには1日に数百枚の松葉ガニをボイル、選別し、店頭に並べています。その専門店だからできる圧倒的な数が確かな質の担保に繋がっています。
独自の活〆ボイル製法
マルツの松葉ガニは「活」にこだわり、活きたままのカニを水で締めて茹で上げるのが特徴です。珍しい自社専用ボイル釜で、職人が塩加減や温度管理、茹で時間の調整をしながら丁寧に茹で上げます。脚切り防止で品質管理に繋がるのはもちろん、鮮度がいいカニを茹で上げる事で身が引き締まり甘みが増した味わいに仕上がります。
また、1度に500枚近くのカニを同じ釜で茹でるためカニの出汁が染み渡り、カニの旨味が詰まった味わいに仕上がります。カニの出汁でカニを茹でる専門店ならではの製法です。
当日発送が可能で鮮度が高い
マルツでは、仕入れから加工、販売まで自社一貫です。鮮度にこだわり、競りから1時間以内にボイルされ全国に発送されます。そのため、山陰地方に住んでいない方でも本場の新鮮な松葉ガニが食べられます。
鮮度が高い証
マルツの松葉ガニは環境の変化やストレスなどで身入りや鮮度、色味が悪くなる事を避けるため、「活」の松葉ガニを水槽で保管する期間は3日以内と決めています。鮮度がいい状態で「活〆ボイル」をする事で鮮度と旨味を閉じ込めています。
また、茹でた後の品質管理にも気を配り、店頭では甲羅を背にしてお腹を上に向けた状態で陳列しています。これはお腹のみそが流れ出る事を防ぎ、氷との接地面を多くする事で鮮度を保つ役割があります。そのためマルツの茹でた松葉ガニは「生」と間違われるほどつやがあり色合いが良く、まさに鮮度が高い証です。
まとめ
本記事では、松葉ガニの選び方や正しい保存方法を解説しました。殻の固さやお腹の色など美味しい松葉ガニを見分けるコツはありますが、販売形態によっても鮮度は大きく異なります。
一番安心なのは、信頼できる販売店を見つけることです。マルツはプロの目利きによって今回ご紹介したような質の高いカニが厳選されており、当日発送のため鮮度も高いです。
マルツでは松葉ガニの小が15,000円から販売しており、脚が取れているなどの訳あり品の販売もあるのでお得に松葉ガニを購入できます。
鮮度と品質にこだわるマルツの松葉ガニ、ぜひ一度ご賞味ください!