松葉ガニの競りはどうやって行われる?競りの様子や流通の仕組みついて解説!
「競り」と聞くとマグロの競りが有名ですが、実はシーズンになると松葉ガニも競りが行われます。毎年11月6日が漁の解禁日で7日に初競りが行われ、その様子がテレビや新聞にて報道されます。
本記事では、カニ専門店のマルツが競りの様子や松葉ガニが食卓に届くまでの過程について解説します。普段聞くことのできない競りの裏側や価格の傾向を知りたい方は必見です!
松葉ガニの流通の仕組み
まずは、松葉ガニが食卓に届くまでの過程について解説します。
松葉ガニの流通の過程には以下の4つのステップがあります。
①漁師による水揚げ
松葉ガニは、底びき網漁法という漁法で漁師さんによって水揚げされます。底びき網漁法では、松葉ガニ以外の魚も一緒に捕れるので、船上でサイズや種類ごとに分別されます。
水揚げの方法や仕組みについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご参照ください。
「松葉ガニの漁法は?漁法の種類や松葉ガニ漁の規制について解説!」
②競り場への輸送
水揚げされた松葉ガニは、競り場へ輸送されます。競り場は、大きな漁港に併設しており鳥取県だと境港、賀露港、網代港が競り場として有名です。
この段階で松葉ガニは漁師さんの手から、競りを管理している「卸売業者」に渡ります。卸売業者は漁師さんの代わりに競りで松葉ガニを販売する役割があります。
③競り
競りの売り手は卸売業者ですが、競りの買い手は市場での仲買免許を取得している「仲買人」です。
仲買人はそれぞれの会社ごとに仲買番号が割り振られていて、境港の場合は赤い帽子を被った仲買人だけが競りに参加し、松葉ガニを競り落とす事ができます。マルツの仲買い番号は93番で水揚げされたばかりの新鮮な松葉ガニを仲買人の長年の目利きによって競り落としています。
④販売・加工
競り落とされた松葉ガニは仲買人がスーパーや飲食店などに卸したり、加工業者によってボイル加工やセクション加工が行われます。
カニ専門店マルツでは競り落とした新鮮な活きた松葉ガニを水で締めてから茹で上げる「活〆ボイル製法」によってボイル加工をして、店頭で販売したり、即日発送したりしています。
新鮮で品質の高い松葉ガニを食べたい方は、マルツのように市場での競りから自社でのボイル加工、そして自社店舗での販売までを一気通貫で行う販売店がおすすめです。
競りの様子
競りの様子について、カニの水揚げ量日本一の鳥取県境港を例にして解説します。
競り前の下見
競り場に並べられたカニはすぐに競りに出されるわけではありません。事前に競りに参加する仲買人(買い手)による下見の時間が設けられています。
また、鳥取県ブランドの証でもある「タグ付き」の松葉ガニは写真のように活きた状態で競りにかけられます。そのため実際には水槽の中に入った状態で仲買人は品質、鮮度、サイズを確認します。
競り開始
真ん中に立つ卸売業者(売り手)を「セリ人」と呼びます。セリ人の合図で競りが始まります。活の松葉ガニの競りはセリ人の呼びかけに対して、仲買人が値段を書いて示す入札方式で行われます。特大サイズから5立、10立などサイズによって水槽が分けられていて、サイズごとに一番高い値段を提示した人が競り落とす仕組みです。
一方で、活の状態ではない松葉ガニはパレット(台)の上に並べられていて、手で値段を示す「手やり」によって競りが行われます。同じ松葉ガニでも売られる時の状態や鮮度によって競りのやり方は様々です。
競りの現場には、許可を取っている業者しか入れませんが、競り場によっては一般公開しており、2階から競りの様子を見学できるので気になる方は漁港のホームページを確認しましょう。
近年の競りの傾向
競りで落とされる松葉ガニの相場は水揚げ量や時期、社会情勢などによって変動します。近年の松葉ガニ競りの傾向についてご紹介します。
松葉ガニは価格高騰してる?
松葉ガニの小売価格の相場は、1匹12,000円~28,000円くらいですが年々上昇傾向です。その背景には、水揚げ量の減少や海外から輸入される冷凍ズワイガニの値上がりが影響しています。
松葉ガニはもともと数が少ないため、禁漁期間や網のサイズの指定などが細かく法律で決められており、水揚げ量が安定しにくいです。それに加えて海外産のカニの値上がりから需要が国内産のカニに向かったことで価格高騰が加速しています。
松葉ガニの最高価格は?
松葉ガニが最も高額で取引される日は、11月7日の初競りです。初競りでは「ご祝儀相場」と呼ばれる通常とは異なる相場で取引されます。ご祝儀相場は、今年初めて水揚げされたカニに祝意を表す目的があります。
松葉ガニの最高価格は「競りで落札された最も高額なカニ」として2019年にギネス世界記録になっている500万円です。その後は新型コロナウィルスの影響もあり、2020年の最高価格が50万円、2021年の最高価格が90万円となっています。
そんな中で、最新の2022年の初競りでは最高価格が100万円を超えて、少しずつ初競りの活気も戻ってきています。
五輝星(いつきぼし)とは?
このような最高価格で取引される松葉ガニには「五輝星(いつきぼし)」という最高級品であるブランド名が付けられます。五輝星の名前が付く松葉ガニは非常に貴重で、2021年度の五輝星の出現率は約0.05%と言われています。
五輝星には以下の5つの基準が設けられています。
① 大きさ:甲幅13.5cm以上
② 重さ:1.2kg以上
③ 形状:脚が全てそろっているもの
④ 色合い:鮮やかな色合い
⑤ 身入り:身が詰まっていること
五輝星は非常に高価で希少なので普通は食べられませんが、いつか食べてみたいですね!
松葉ガニ通販ならマルツ
松葉ガニを手軽に購入したいなら、「マルツ」の通販がおすすめです。マルツは、鳥取県境港にあるカニ専門の老舗で、境港はカニとクロマグロの水揚げが日本一の漁港です。
マルツは、50年以上の伝統と信頼を持つカニ専門店なので、美味しさと鮮度に優れた松葉ガニを安心して購入できます。
マルツの松葉ガニには以下のような特徴があります。
プロの目利きによって厳選
この道30年以上の目利きのプロが長年の経験値から、みそや身入りが良く鮮度のいいカニ(A級)、そうでないカニ(B級)を1枚1枚選別しています。
11月~12月のハイシーズンには1日に数百枚の松葉ガニをボイル、選別し、店頭に並べています。その専門店だからできる圧倒的な数が確かな質の担保に繋がっています。
独自の活〆ボイル製法
マルツの松葉ガニは「活」にこだわり、活きたままのカニを水で締めて茹で上げるのが特徴です。珍しい自社専用ボイル釜で、職人が塩加減や温度管理、茹で時間の調整をしながら丁寧に茹で上げます。脚切り防止で品質管理に繋がるのはもちろん、鮮度がいいカニを茹で上げる事で身が引き締まり甘みが増した味わいに仕上がります。
また、1度に500枚近くのカニを同じ釜で茹でるためカニの出汁が染み渡り、カニの旨味が詰まった味わいに仕上がります。カニの出汁でカニを茹でる専門店ならではの製法です。
当日発送が可能で鮮度が高い
マルツでは、仕入れから加工、販売まで自社一貫です。鮮度にこだわり、競りから1時間以内にボイルされ全国に発送されます。そのため、山陰地方に住んでいない方でも本場の新鮮な松葉ガニが食べられます。
まとめ
本記事では、競りの様子や松葉ガニが食卓に届くまでの過程について解説しました。
普段皆さんが食べているカニは競りを経て、食卓まで届いています。業者にもよりますが、松葉ガニは鮮度が重要なため水揚げ後すぐに競り落とされて販売や加工がされます。
マルツではプロの目利きによって厳選された松葉ガニのみを販売しています。
鮮度と品質にこだわるマルツの松葉ガニ、ぜひ一度ご賞味ください!