松葉ガニの漁法は?漁法の種類や松葉ガニ漁の規制について解説!

松葉ガニの漁法は?漁法の種類や松葉ガニ漁の規制について解説!

2023.6.27 コラム
漁船

私達が普段食べているカニがどのようにして水揚げされているかご存知ですか?実はカニの種類によって漁法が異なります。また、松葉ガニには資源保護を目的とした規制があるため漁ができる時期や漁獲できるサイズも明確に決められています。


本記事では、松葉ガニの漁法や松葉ガニ漁の規制についてご紹介します。美味しい松葉ガニが食卓に届くまでの過程を知ってもらえたら幸いです。

松葉ガニについて

松葉ガニは、冬の日本海で獲れるオスのズワイガニのことです。ズワイガニは産地によって呼び名が変わりますが、松葉ガニは鳥取県や島根県、兵庫県などで漁獲できます。特に鳥取県は日本一のカニの水揚げ量を誇り、境港、賀露漁港、網代漁港が有名です。


同じ地域で水揚げされる「紅ズワイガニ」は、松葉ガニと同じズワイガニ属のカニですが、味や値段、見た目が異なります。


松葉ガニと紅ズワイガニの違いを詳しく知りたい方はこちらの記事をご参照ください。

松葉ガニvs紅ズワイガニ:味や値段、シーズンなど違いを徹底比較!

 

松葉ガニ漁の規制

松葉ガニの漁獲量は年々減少しており、価格も高騰傾向です。そのため松葉ガニには、漁のできる時期や漁獲できるサイズなどが明確に決められています。漁業規制には、国が定める「特定大臣許可漁業等の取締りに関する省令」と漁業関係者の自主的な規制の「ずわいがに漁業の資源管理協定」があります。


本章では、この中から皆さんに知って欲しいポイントをいくつかご紹介します。

漁期間の規制

松葉ガニを含むズワイガニは禁漁期間が定められていますが、地域によって時期が異なります。例えば、カニの漁獲量が日本一の鳥取県は3月21日~11月5日までが禁漁の期間です。そのため毎年11月6日が松葉ガニ漁の解禁日となっており、初競りの様子がテレビや新聞で報道されます。


この時期の松葉ガニは身入りが良く美味しいですが、シーズンだからという訳ではなく、法律によって定められているため松葉ガニは冬しか食べられません

サイズの規制

松葉ガニは10年ほどかけて成長する生き物です。そのため、成長しきっていないカニを漁獲しないための規制や工夫がされています。


規制によると、雄のズワイガニは甲幅が9cm以上のものしか漁獲してはいけないとされています。一方で雌のズワイガニは大きく成長しないので、漁獲の判断基準は産卵を行い腹部に卵を抱えているかです。


成長しきっていないカニを漁獲しない工夫として、網目が15cm以上のもの又は9.5cm以上の円形脱出口を装着したものを使用するように義務付けられています。


このような規制や工夫によって、乱獲による将来の漁獲量減少や過剰な価格高騰を防いでいます。いつでも美味しい松葉ガニを食べたいと思う方も多いと思いますが、このような背景をご理解頂けますと幸いです。

 

カニの漁法

カニの漁法は大きくわけて3つにわけられます。これらは、カニの種類によって生息している水深が異なることや乱獲を防ぐ目的で異なる漁法が使われています。


それぞれの漁法の特徴や漁獲されるカニの種類について解説します。

底びき網漁法

【漁獲される種類】

松葉ガニ

・アカガレイ、ハタハタ、ニギス、イカ類など


底びき網漁法とは、漁船から網を海底に沈めて、囲い込むように船を走らせて漁獲する方法です。底びき網漁法の中でも漁業法で指定された海域で15トン以上の船舶を用いる場合は「沖合底びき網漁法」と呼ばれます。


底びき網漁法は、水深100~600メートルの水域の生物を漁獲するのに適しており、松葉ガニの水域は300~500メートルなので底びき網漁法が用いられます。


松葉ガニだけを漁獲しているわけではなく、鳥取県のデータによると漁獲の内訳はズワイガニ17%、アカガレイ17%、イカ類18%、ハタハタ16%となっており、同じ水域の魚を一緒に漁獲して船上でサイズや種類ごとに分別しています。


底びき網漁法は一気にいろいろな魚を漁獲できますが、分別に手間がかかったり、水揚げ量が安定しないなどのデメリットもあります。


参考:鳥取県 沖合底びき網漁業の概要

かご漁法

【漁獲される種類】

紅ズワイガニ、松葉ガニ(島根県の一部のみ)

・エビ類、バイ類


かご漁法は甲殻類の生物を漁獲するのに優れた漁法です。えさを取り付けた大量のかごを海底に沈めて、匂いにつられて入ってきた生物を捕る漁法です。底びき網漁法と比べると水深に関わらず漁ができるので、水深800~2000メートルの深海に生息する紅ズワイガニの漁に使われています。


かご漁法は漁獲性能が非常に高いので、資源保護の観点から一部の地域を除いて松葉ガニの漁獲が禁止されています。また、かごや網目のサイズ、使用するかごの数などにも規制があります。


このように規制は多いですが、カニを傷つけずに漁獲できたり、えさで引き寄せるため漁獲が安定しやすかったりなどメリットの多い漁法です。


刺し網漁法

【漁獲される種類】

タラバガニ

・マダイ、アジ、カマス、マグロなど


刺し網漁法は、底びき網漁法と同じように海中に網を沈めて魚やカニを漁獲する漁法です。ただし、囲い込むのではなく、魚の通り道に垂直に網を張ります。


主にマダイやアジなどの遊泳する魚の漁獲に使われる漁法ですが、タラバガニは12月頃から浅瀬に移動してくる習性があるため刺し網漁法が用いられます。


網に絡めて漁獲する方法なので、網から外す際に脚が取れてしまうなどのリスクも高く、熟練された技術が必要です。


水揚げ後のカニの流通過程は?

それぞれの方法で水揚げされたカニは、漁港で競りにかけられます。鳥取県境港の市場では早朝から多くの松葉ガニや紅ズワイガニが並び、競りが始まります。競りで落とされたカニは水産業者によって販売・加工され、皆さんの食卓に届いているのです。

 

松葉ガニ通販ならマルツ

松葉ガニを手軽に購入したいなら、「マルツ」の通販がおすすめです。マルツは、鳥取県境港にあるカニ専門の老舗で、境港はカニとクロマグロの水揚げが日本一の漁港です。


マルツは、50年以上の伝統と信頼を持つカニ専門店なので、美味しさと鮮度に優れた松葉ガニを安心して購入できます。


マルツの松葉ガニには以下のような特徴があります。

プロの目利きによって厳選

目利き

 

この道30年以上の目利きのプロが長年の経験値から、みそや身入りが良く鮮度のいいカニ(A級)、そうでないカニ(B級)を1枚1枚選別しています。

 

11月~12月のハイシーズンには1日に数百枚の松葉ガニをボイル、選別し、店頭に並べています。その専門店だからできる圧倒的な数が確かな質の担保に繋がっています。

独自の活〆ボイル製法

〆ボイル

 

マルツの松葉ガニは「活」にこだわり、活きたままのカニを水で締めて茹で上げるのが特徴です。珍しい自社専用ボイル釜で、職人が塩加減や温度管理、茹で時間の調整をしながら丁寧に茹で上げます。脚切り防止で品質管理に繋がるのはもちろん、鮮度がいいカニを茹で上げる事で身が引き締まり甘みが増した味わいに仕上がります。

 

また、1度に500枚近くのカニを同じ釜で茹でるためカニの出汁が染み渡り、カニの旨味が詰まった味わいに仕上がります。カニの出汁でカニを茹でる専門店ならではの製法です。

当日発送が可能で鮮度が高い

発送

 

マルツでは、仕入れから加工、販売まで自社一貫です。鮮度にこだわり、競りから1時間以内にボイルされ全国に発送されます。そのため、山陰地方に住んでいない方でも本場の新鮮な松葉ガニが食べられます。


まとめ

本記事では、松葉ガニの漁法や松葉ガニ漁の規制についてご紹介しました。


カニは種類ごとに異なる、適した漁法で漁獲されています。特に、資源保護ための規制や、カニを傷つけずに漁獲する漁師さんの高度な技術が、松葉ガニ漁を支えていることがわかります。


カニが私たちの食卓に届くまでの一連の過程を知ることで、食事の楽しみがさらに増しますよね。


マルツでは松葉ガニの小が15000円から販売されています。また、脚が取れているなどの理由で割安になった松葉ガニも取り扱っていますので、お得に美味しいカニを楽しめます。


鮮度と品質にこだわるマルツの松葉ガニ、ぜひ一度ご賞味ください!

 

 

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